日本の3大メガバンクの業績を徹底比較します。
2008年から続いていた超低金利が終わり、金利の引上げが続いています。
政策保有株の売却や金利の引上げによって、業績も急上昇、株価も上昇傾向が続いています。
みずほフィナンシャルグループ

時価総額 9兆2230億
PER 9.8倍
PBR 0.88倍
大株主
トラスト 3億9359万4300株
カストディ 1億4170万260株
JPモルガン 5652万2142株
業績情報 通期
22年 | 23年 | 24年 | |
売上高 | 3兆9630億 | 5兆7787億 | 8兆7444億 |
経常利益 | 5598億 | 7896億 | 9140億 |
最終利益 | 5304億 | 5555億 | 6789億 |
25年 | 26年予想 | |
売上高 | 9兆303億 | |
経常利益 | 1兆1681億 | |
最終利益 | 8854億 | 9400億 |
利上げの影響や政策保有株の売却により26年予想は1兆500の予想でしたが、経済の不確実性を織り込み9400億と保守的に出しています。
政策保有株売却益 959億
1円円安の場合 +30億程度
0.25%の利上げで、年間+1200億程度
国内貸出金
22年 | 23年 | 24年 | |
貸出金利 | 0.76% | 0.76% | 0.98% |
預金金利 | 0% | 0% | 0.06% |
金利差 | 0.76% | 0.76% | 0.92% |
貸出金 | 54.6兆 | 55.8兆 | 56.9兆 |
マイナス金利の解除から金利が上昇し、業績が大きく向上しています。
金利差が大きいほど、業績が上向きます。
貸出金も年々増加しています。
海外貸出金(単位:億ドル)日本円で約十兆単位)
22年 | 23年 | 24年 | |
貸出金利 | 3.48% | 5.84% | 5.54% |
預金金利 | 1.12% | 1.36% | 1.36% |
金利差 | 2.35% | 4.48% | 4.18% |
貸出金 | 2605 | 2457 | 2386 |
インフレの抑制のため、金利を上げていましたが、ピークが終わり低下傾向になっています。
貸出金も年々低下しています。
グループ会社別 純利益 (単位:億)
23年 | 24年 | |
銀行 | 3721 | 5734 |
信託 | 294 | 458 |
証券 | 1627 | 1470 |
アセット | 132 | 150 |
合計 | 6789 | 8854 |
銀行と信託業務の利益が大きく向上しています。
銀行では、カナダと中国にグループ会社があり、海外の為替や金利差も重要になってきます。
財務状況
23年 | 24年 | 25年 | |
総資産 | 254兆 | 278兆 | 283兆 |
剰余金 | 5兆939億 | 5兆5388億 | 6兆465億 |
総資産、利益剰余金も上昇傾向です。
配当情報
22年 | 23年 | 24年 | |
株価 | 1548円 | 1887円 | 2561円 |
配当金 | 80円 | 85円 | 105円 |
利回り | 5% | 4.5% | 4% |
一株利益 | 209円 | 219円 | 267円 |
配当性向 | 38% | 38% | 39% |
25年 | 26年 | |
株価 | 3925円 | 3787円 |
配当金 | 140円 | 145円 |
利回り | 3.5% | 3.8% |
一株利益 | 350円 | 374円 |
配当性向 | 40% | 40% |
毎年増配を発表していますが、株価の上昇により、利回りが低下傾向です。
株主還元
配当
安定的な収益基盤の着実な成長に基づき、毎期5円を目安に増配を行う。
自社株買い
総還元性向50%を目安に行う。
20年 | 21年 | 22年 | |
自社株買い | |||
配当金 | 75円 | 80円 | 85円 |
23年 | 24年 | 25年 | |
自社株買い | 1000億 | 1000 | |
配当金 | 105円 | 140円 | 145円 |
自社株買いの期間
2025年5月16日から8月31日まで。
発行済みの株式比率1.6%。
取得した株は9月22日に消却。
配当金は20年を境に毎年増配をしています。
今後は毎年増配を実施していくので、長期保有ならおすすめの銘柄です。
三菱UFJフィナンシャルグループ

時価総額 23兆7674億
PER 11.3倍
PBR 1.1倍
大株主
トラスト 18億3714万5700株
自社 6億4733万8千株
カストディ 6億4587万1千株
業績情報 通期
22年 | 23年 | 24年 | |
売上高 | 6兆758億 | 9兆2810億 | 11兆8903億 |
経常利益 | 1兆5376億 | 1兆207億 | 2兆1279億 |
最終利益 | 1兆1308億 | 1兆1164億 | 1兆4907億 |
25年 | 26年予想 | |
売上高 | 13兆6299億 | |
経常利益 | 2兆6694億 | |
最終利益 | 1兆8629億 | 2兆 |
債権ポートフォリオ改善影響により営業純益が増加。
売上、利益ともに年々上昇し25年は過去最高益。
政策保有株の売却益は3712億
26年予想では、2兆円の利益水準との予想です。
国内貸出金
23年 | 24年 | 25年 | |
貸出金利 | 0.85% | 0.85% | 1.04% |
預金金利 | 0% | 0% | 0.11% |
金利差 | 0.85% | 0.85% | 0.93% |
貸出金 | 66.6兆 | 69.1兆 | 74.5兆 |
マイナス金利の解除から金利が上昇し、業績が大きく向上しています。
金利差が大きいほど、業績が上向きます。
貸出金も年々増加しています。
海外貸出金(単位:億ドル)日本円で約十兆単位)
23年 | 24年 | 25年 | |
貸出金利 | 5% | 6.2% | 5.4% |
預金金利 | 1.88% | 1.88% | 1.82% |
金利差 | 3.2% | 4.5% | 3.6% |
貸出金 | 41.2 | 46.8 | 46.3 |
インフレの抑制のため、金利を上げていましたが、ピークが終わり低下傾向になっています。
子会社業績 (単位:億円)
23年 | 24年 | |
銀行 | 8,042 | 9,591 |
信託 | 578 | 1,542 |
証券 | 487 | 504 |
投資信託 | 103 | 113 |
クレジット | 28 | ▲218 |
アコム | 210 | 127 |
アユタヤ | 963 | 1,188 |
ダナモン | 281 | 312 |
FSI | 248 | 52 |
モルガン | 4012 | 4,844 |
合計 | 14,907 | 18,629 |
銀行業で6割程度を稼いでいます。
海外での銀行業も3割程度あり、好調な海外の成長を取り込めます。
財務状況
21年 | 22年 | 23年 | 24年 | |
総資産 | 359兆 | 373兆 | 386兆 | 403兆 |
剰余金 | 11兆2000億 | 11兆9981億 | 12兆7392億 | 13兆7916億 |
25年 | |
総資産 | 413兆 |
剰余金 | 14兆8456億 |
財務状態も年々よくなっています。
配当情報
22年 | 23年 | 24年 | |
株価 | 653円 | 803円 | 1437円 |
配当金 | 28円 | 32円 | 41円 |
配当利回り | 4.2% | 3.9% | 2.8% |
一株利益 | 88円 | 90円 | 124円 |
配当性向 | 31% | 35% | 33% |
25年 | 26年予想 | |
株価 | 1482円 | 1969円 |
配当金 | 64円 | 70 |
配当利回り | 4.3% | 3.5% |
一株利益 | 160円 | 173円 |
配当性向 | 40% | 40% |
業績の好調に伴い、配当金も増配傾向が続いています。
22年の時の配当金と比較すれば4年で配当金が3倍程度になりました。
株主還元
22年 | 23年 | 24年 | |
自社株買い | 4500億 | 4000億 | 4000億 |
配当金 | 32円 | 41円 | 64円 |
25年 | |
自社株買い | 2500億 |
配当金 | 70円 |
自社株買いの期間
2025年5月16日から7月31日まで。
発行済みの株式比率1.52%。
三井住友フィナンシャルグループ

時価総額 13兆6499億
PER 10.5倍
PBR 0.93倍
大株主
トラスト 2億1121万9700株
カストディ 7794万2500株
ステートストリート 3491万1924株
業績情報 通期
22年 | 23年 | 24年 | |
売上高 | 4兆1111億 | 6兆1421億 | 9兆3535億 |
経常利益 | 1兆406億 | 1兆1609億 | 1兆4661億 |
最終利益 | 7066億 | 8058億 | 9629億 |
25年 | 26年予想 | |
売上高 | 10兆1748億 | |
経常利益 | 1兆7194億 | |
最終利益 | 1兆1779億 | 1兆3000億 |
25年本業の好調が継続し、過去最高益を大幅に更新
26年予想では、米国の関税措置に対する景気後退のため、1000億程度のマイナス影響を織り込む。
政策保有株売却のため5000億の利益押上があった。
国内 貸出金
貸出金 67.4兆円
貸出金利 1.02%
預金金利 0.06%
金利差 0.96%
海外
貸出金 37.1兆円
貸出金利 6%
預金金利 4%
金利差 2%
財務状況
21年 | 22年 | 23年 | 24年 | |
総資産 | 242兆 | 257兆 | 270兆 | 295兆 |
剰余金 | 6兆4925億 | 6兆9164億 | 7兆4236億 | 7兆8434億 |
25年 | |
総資産 | 306兆 |
剰余金 | 8兆2901億 |
自己資本、剰余金も年々増加傾向です。
配当情報
21年 | 22年 | 23年 | |
株価 | 1397円 | 1766円 | 2546円 |
配当金 | 70円 | 80円 | 90円 |
配当利回り | 5% | 4.5% | 3.5% |
一株利益 | 171円 | 196円 | 241円 |
配当性向 | 40% | 40% | 37% |
24年 | 25年 | |
株価 | 3540円 | 3,540円 |
配当金 | 122円 | 136円 |
配当利回り | 3.4% | 3.8% |
一株利益 | 301円 | 335円 |
配当性向 | 40% | 40% |
一株利益に対して、40%を配当金として出しています。
海外の業績が好調なので、さらなる業績の向上、配当金の増加に期待できます。
株主還元
自社株買い
総還元性向50%を目安に行う。
20年 | 21年 | 22年 | |
自社株買い | |||
配当金 | 63円 | 70円 | 80円 |
23年 | 24年 | 25年予想 | |
自社株買い | 2000億 | 1000億 | 1000億 |
配当金 | 90円 | 122円 | 136円 |
自社株買いの期間
2025年5月15日から7月31日まで。
発行済みの株式比率1%。
取得した株は8月20日に消却。
3大メガ銀行徹底比較
業績情報
みずほ | 三井住友 | 三菱UFJ | |
売上高 | 9兆303億 | 10兆1748億 | 13兆6299億 |
25年利益 | 8854億 | 1兆1779億 | 1兆8269億 |
26年利益予想 | 9400億 | 1兆3000億 | 2兆 |
金利の上昇や政策保有株の売却により、25年の利益は前年より大きく向上しています。
26年予想では、三菱UFJが2兆円の利益予想となり株主還元に期待ができます。
財務比較
みずほ | 三井住友 | 三菱UFJ | |
総資産 | 283兆 | 306兆 | 413兆 |
剰余金 | 6兆465億 | 8兆2901億 | 14兆8456億 |
三菱UFJの剰余金が高水準です。
配当情報
みずほ | 三井住友 | 三菱UFJ | |
株価 | 3787円 | 3540円 | 1969円 |
配当金 | 145円 | 136円 | 70円 |
利回り | 3.8% | 3.8% | 3.5% |
利回りは、どの銀行もほぼ変わらない水準です。
指標判断
みずほ | 三井住友 | 三菱UFJ | |
PER | 9.8倍 | 10.5倍 | 11.3倍 |
PBR | 0.88倍 | 0.93倍 | 1.1倍 |
三菱UFJのPBRが1倍を超えました。
PBRが低いほど割安と判断されます。
株主還元
みずほ | 三井住友 | 三菱UFJ | |
増配 | 5円 | 14円 | 6円 |
自社株買い | 1000億 | 1000億 | 2500億 |
自社株買い取得額 | 8月31日 | 7月31日 | 7月31日 |
発行済みの比率 | 1.6% | 1% | 1.52% |
業績の向上もありどの銀行も株主還元に積極的です。
三菱UFJは前期で2500円の自社株買いを行います。
後期の自社株買い発表に期待できます。
銀行業の業績
国内では、マイナス金利撤廃から金利のある世界になりました。
今後も、金利の引上げで銀行業の業績も上向くと予想できます。
企業間の癒着をなくすため、銀行業は政策保有株の売却を進めています。
政策保有株の売却により、株主還元に使われています。
海外では、物価のインフレを抑えるため、貸出金利の上昇が続いていました。
昨年から経済活動の停滞から、金利の引上げは行われておらず、トランプ大統領も金利の引き下げ要求をしており、金利の上昇になる可能性が低いと予想します。
銀行業は金利が上がれば収益も上昇しますので、海外に銀行を持っているメガバンクの業績は停滞する可能性があります。
また、日米の金利差が縮小し、円高傾向になれば利益も縮小します。
現時点でのおすすめ銘柄は
現状のおすすめは、三菱UFJフィナンシャルグループです。
業績の上昇により、株主還元に積極的である。
→株価の上昇や増配に期待ができます。
銀行の規模では、日本で一番
→利益水準、財務状況すべてが高水準である。
海外銀行の比率が高い
→海外の銀行は金利の上下など振れ幅が大きくマイナスに働くこともあります。
海外市場は成長しており、経済成長を教授できる。
どの3大メガ銀行も業績は似た傾向がるので、安定性を高めるため、3つ全て持つのもおすすめです。